Gartnerの「生成AIのハイプ・サイクル:2024年」
図1:生成AIのハイプ・サイクル:2024年
ドメイン固有の生成AIモデル
次に、 生成AIツールのMS Copilotを利用して、主催者、応募者、審査員、スポンサーの立場における生成AIの影響、有効性に関するQA(10月18日時点の回答)をご紹介します。※下線部は筆者による、なお、英語での同質問の回答は一部相違
全般質問:アワードやコンテスト産業における生成AIの影響を教えてください。
Copilot
生成AIは、アワードやコンテスト産業に大きな影響を与えています。以下はその主な影響です:
- コンテンツ生成: 生成AIは、映画、音楽、アートなどのコンテンツを自動生成することができます。これにより、新しいアイデアやスタイルが生まれ、コンテストの参加者がより多様な作品を提出できるようになります。
- 審査の効率化: 生成AIは、審査プロセスを効率化するために使用されることがあります。例えば、映画の編集や音楽のミキシングなど、審査員が多くの作品を効率的に評価できるようにするためのツールとして利用されます。
- 新しいジャンルの誕生: 生成AIは、従来のジャンルにとどまらず、新しいジャンルやスタイルを生み出すことができます。これにより、コンテストの範囲が広がり、より多くの参加者が参加できるようになります。
- 倫理的な課題: 生成AIの使用には倫理的な課題もあります。例えば、生成AIが作成したコンテンツが他の作品と区別がつかない場合、著作権や創造性の問題が生じることがあります。
- 技術の進化: 生成AI技術は急速に進化しており、これによりコンテスト産業も変化しています。新しい技術が登場するたびに、コンテストのルールや基準が見直されることがあります。
応募者質問:アワードやコンテストの応募書類の作成に生成AIはどれぐらい役立ちますか?
Copilot
- 内容の構成: 応募書類の概要や構造を整えるのに役立ちます。
- 文法・表現の修正: 文法や表現のチェック、改善を行い、よりプロフェッショナルな文章に仕上げます。
- アイデアの発掘: 応募テーマに沿った新しい視点やアイデアを提供します。
- 校正と編集: 最後の見直しや細部の調整を手助けします。
審査に関する質問1:アワードやコンテストの応募資料の審査に生成AIはどれぐらい役立ちますか?
Copilot
- 評価基準の一貫性: 応募資料を評価するための基準を事前に設定し、生成AIがこれらの基準に基づいて評価を行うことで、一貫性を保つことができます。
- 大量の応募資料の迅速な処理: 大量の応募資料を短時間で審査し、初期のスクリーニングプロセスを加速します。
- バイアスの軽減: 人間の審査員による無意識のバイアスを軽減し、公平な評価を促進します。
- 分析とレポート: 応募資料の特徴や傾向を分析し、視覚的なレポートを生成することができます。
審査に関する質問2:審査員は、生成AIで作成された作品を見分けられますか?
Copilot
生成AIで作成された作品を見分けることは、技術や経験に大きく依存します。多くの審査員は、文章や画像の微妙な違いや特定の特徴を見分けることができますが、生成AIの技術も日々進化しているため、見分けることが難しい場合もあります。それでも、熟練した審査員は、作品の質感や表現の独自性などからAI生成作品を識別することができます。
審査に関する質問3:生成AIでアワードやコンテストの応募内容の評価基準を決められますか?
Copilot
- 基準の生成: 過去の応募データや評価基準を分析し、一貫性のある新しい評価基準を提案します。
- バイアスの排除: 人間の審査員が持つ潜在的なバイアスを排除し、客観的な基準を設定する手助けをします。
- トレンドの検出: 最新のトレンドや業界標準を反映した基準を導入できます。
スポンサーに関する質問:アワードやコンテストのスポンサーにとって生成AIは役立ちますか?
Copilot
- 効率的なマーケティング: 生成AIは、ターゲットオーディエンスに向けたパーソナライズされたマーケティングキャンペーンを自動的に作成することができます。これにより、スポンサーの製品やサービスを効果的にアピールできます。
- データ分析: 生成AIは大量の応募データを迅速に分析し、スポンサーにとって有益なインサイトを提供します。これにより、次回のスポンサーシップの戦略を最適化できます。
- コンテンツの生成: スポンサーは生成AIを使用して、プロモーションビデオや広告コンテンツを効率的に作成できます。特に、参加者や受賞者のインタビュー動画を自動生成することで、コンテンツ制作の手間を大幅に削減できます。
- エンゲージメントの向上: 生成AIは、ソーシャルメディアやウェブサイト上での参加者や観客とのインタラクティブなコンテンツを生成し、エンゲージメントを高めます。
考 察
生成AIをテーマにした最近の表彰事業として、GMOインターネットグループのAI活用デザインコンテスト「GMO DESIGN AWARD」が目に留まりました。
期待と不安が交錯する生成AIですが、表彰事業固有の生成AIモデルを構築することで、より大量の応募資料を短時間で審査し、審査プロセスの効率性と公正性を高め、また、大量の応募データの分析からスポンサーに有益なインサイトを提供し、さらに新ジャンルの表彰事業の創造も可能になります。もっとも、表彰事業固有の生成AIモデルの構築は容易ではありません。